Profile

福永 真未

ふくなが皮膚科 院長
滋賀医科大学医学部卒業。
滋賀、京都の病院・クリニック勤務を経て、令和4年ふくなが皮膚科を開院し現在に至る。
爪・毛(髪)などの皮膚付属器疾患を得意とし、皮膚科専門医の知識と独自の手法で専門的に取り組んでいる。
福永 真未

Doctors Word

意志あるところに道は開ける

現在の仕事についた経緯は?

何がきっかけで医師を志したのか今となっては思い出せないのですが、幼い頃から「医師になる」という未来を予見していました。医学部を卒業するころには、治療成果が目の前に現れる「皮膚」という臓器に興味をもち、皮膚科医としての道を選びました。
大学医局に所属し、市中病院での勤務を続けていく中で、Common diseaseにもっと寄り添った医療がしたいと考え、京都市内のクリニックで分院長となりました。
しかしそこで見えた現実は「一般皮膚科医療のほとんどを皮膚科医以外の医師が行っている」というもの。美容皮膚科治療もこれまた然り(もっとひどい)。ずさんな皮膚管理、売上げ重視、エビデンス無視の施術・アップセルに嫌気がさし、「適正な医療をたくさんの人に届けたい」という想いで、自身のクリニックを立ち上げるに至りました。

仕事へのこだわり

疾患を見て、診断し、薬を渡して、はい終わり。これではどんな疾患も治るはずがありません。少なくとも皮膚科治療において疾患を「治す」のは医師でも薬でもありません。患者さん自身が自身の皮膚状態や医師の説明を正しく理解し、毎日外用・内服するという行動を実践して初めて、その目標を達成できます。
また、そのゴールは人によって様々です。現代社会において皮膚は常にストレスに晒されており、皮膚に疾患がないだけでなく、かゆみや乾燥などのトラブルがない「健やかな肌」を目指すことは、健康で快適な生活を送るには欠かせない要素となっています。疾患治癒後のプラスαとして、再発予防や日常のスキンケアでの注意点を、いかにピンポイントで伝えることが出来るか、日々取り組んでいます。
この2つのプロセスを重視することが、私の診療スタイルの根幹であり、モットーです。それには対話と双方向の理解が欠かせません。疾患だけでなく「ひと」としっかり向き合い、クリニックに関わる全ての人が健やかになれる場所を作ること、これまでの医療に「あきらめ」を感じてしまった全ての方に、対話と双方向の理解を大切に誠実に向き合うこと。これからもこだわり続けます。

そう思えるようになったきっかけ

私の仕事に対するモチベーションは「怒り」にあると思います。
皮膚科あるあるの「3時間待ちで診察は3分」「(皮膚疾患は)死なないけれど治らない」という現在の医療に辟易しているのは患者さんだけでなく医師も同じでしょう。疾患の予防やアフターケアは患者任せでSNS発信のなんちゃって医療が蔓延るような社会風潮にも、辟易しています。
私一人でその現実を変えることはおそらく難しいでしょう。しかし、それを漫然と受け入れる医療者にはどうしてもなりたくありませんでした。本気で「今」を変えようとする診療所があってもいいんじゃないか、やり続けたらきっと何かを変えていけるんじゃないか、その想いが現在のクリニックを開院するきっかけになりました。

今後の目標

ありがたいことに、毎日、キャパシティをはるかに上回る数の患者さんにご来院いただいております。しかしこだわりの強さゆえにお一人お一人の診察時間を大幅に削ることも難しく、待ち時間が非常に長くなってしまっていることに反省しきりです。診察の質を落とさず、患者さん・スタッフ・地域が三方よしの関係を早急に構築することが私の現在の目標です。
そのためには同じ志を持った医療者との横のつながりがとても重要だと痛感しております。当院内で医師の育成を進めていくだけでなく、夫の運営する別会社で、診療科目を問わず志のある医師の開業支援や医療システムの開発にも携わっています。人が一人でできることには限界があります。しかしチームや組織を構築すればそれは大きなムーブメントとなり、きっと「今」を大きく変えていくことでしょう。

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