Profile

林 伸充

横浜磯子呼吸器内科クリニック 院長
東海大学医学部医学科卒業後、初期臨床研修を経て北里大学呼吸器内科学教室助教。大学病院で勤務の後、けいゆう病院内科(呼吸器内科)など県内の総合病院で外来、入院患者の治療、救急外来での対応を担ってきた。2021年5月、横浜磯子呼吸器内科クリニックを開院し現在に至る。
林 伸充

Doctors Word

医食同源。明けない夜はない。

現在の仕事についた経緯は?

父が医師でしたので身近に目にしていた職業でした。また幼少時に友人が他界した体験があり、生命の儚さに対し何かできないかという想いが漠然とあったのだと思います。小学校の卒業アルバムを久しぶりに開いてみたら、将来の夢は医者。内科医になる。と書いていました。
家族に気管支や肺の病を患っている者が何人かおり、医者になるならそういう病気を治せるようになりたいという想いがありました。医学部の臨床実習の1番初めが呼吸器内科だったことも、今思えば運命だったのかもしれません。呼吸器内科は需要はあるのになり手が少ない科で、「誰かがやらねばならないなら自分が」という思いから現在に至っています。

仕事へのこだわり

実は私の医師としてのスタートは、呼吸器内科ではなく循環器内科でした。初期臨床研修の後、専門科を決める時にどちらの科を選ぶか相当悩みました。今まで「呼吸器内科で」という思いでやってきた自分でしたが、循環器内科も自分にとってかなり魅力がある学問だったのです。
大学病院の循環器内科で働き始め、心電図の解釈や超音波検査が一通りできるようになったことは大きな収穫でした。しかしいつもどこかに違和感を感じながら仕事をしている感覚で、結局辞めてしまいました。教授に相談をして呼吸器内科への転科をお願いしました。
新たな職場である呼吸器内科は、教授のお人柄もあってか暖かく迎えて頂きました。仕事は忙しく、毎日へとへとになるまで働いて帰る日々でしたが、頑張ったおかげか他科からの相談にも応じることができるようになり、次第に人脈も増え、逆に他科への相談もしやすくなったことで呼吸器以外の疾患の知識も増えました。今思えばあの時頑張ったから自分の中の仕事の閾値が上がり、重症の患者様や呼吸器以外の患者様の診察でも動じずに頑張れるのだと思います。
助教となり、関連病院への派遣で県内の総合病院で勤務となりました。大学病院では呼吸器のことだけ診られればだいたいよかったわけですが、市中病院ではそうはいきません。そこで循環器内科の知識や他科へ相談して得た知識が非常に役に立ちました。医療が臓器別専門科に分かれ、それぞれの専門性を高める中で、自分はある程度心臓も診られる呼吸器内科医というスタイルでやっていくことにしました。

そう思えるようになったきっかけ

どの科の知識も高度なレベルで習得している天才ドクターも世の中にはいらっしゃるのかもしれませんが、自分には無理でした。それならば少なくとも自分の専門以外にもう一つ、ある程度の知識があれば、患者様が少なくとも2か所の科にかからなくても済むケースもあるだろうと思いました。医師も持ちつ持たれつですので、他のドクターの負担を減らす一助にもなったかと思います。
市中病院で8年ほど働きましたが、重症の患者様ばかり診てきた中で「もっと病気の初期の段階から上手に関わっておけば重症化が防げたのではないか」という思いに至りました。呼吸器内科は癌の知識、アレルギーの知識、感染症の知識、一般内科の知識があり、開業すれば需要はあるのではないかと考えました。
そもそも呼吸器内科医自体が少ないので、呼吸器内科の開業医も少ないわけです。そこで呼吸器内科の医院の門をたたき、2年間修業させて頂きました。あれこれ考えている間に新型コロナウィルスが蔓延してしまいましたが、逆風にも負けず自院である「横浜磯子呼吸器内科クリニック」を開業しました。

今後の目標

コロナ禍での開業でしたが、今となっては開業してよかったと思っています。慢性的な咳で悩む患者様は多く、コロナ禍でますます肩身の狭い想いをされていたのでしょう。「すぐに咳を止めてほしい。」「治ると思っていたのに薬が効かない。どうしてくれるんだ。」など無茶なことをおっしゃる患者様も中にはいらっしゃいます。医者も万能ではないということをご理解頂きたいのですが、最新の知見を基になるべくその方にあった治療を選択しご提案したいと思っております。
当院では現在、毎月100人を超す新規患者様のご来院があります。予約がいっぱいで患者様全員のご都合に合わせられないこともありご迷惑をおかけしております。医療上の判断でどうしてもこの日までにご来院下さいと申し上げることもございますし、安定している患者様にはあまり時間を割けないこともございます。本当はもっと皆さんとお話したいのですが何卒ご理解頂けます様ご協力をお願いいたします。
当院が地域の皆さんの拠り所となれるよう、今後も努力していきたいと思います。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。