Profile

飯田 智哉

医療法人せせらぎ 札幌在宅クリニックそよ風 院長
2010年 札幌医科大学医学部卒業、2019年 札幌医科大学大学院卒業。道内施設で内科医、消化器内科医として勤務後に、2020年に医療法人せせらぎ 札幌在宅クリニックそよ風に入職し、訪問診療に従事。2021年より同院院長となり現在に至る。筆頭著者として国内外の医学雑誌に多数の論文が掲載されている。
飯田 智哉

Doctors Word

昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう。

現在の仕事についた経緯は?

医師となり、北海道内の病院で、消化器内科を中心に内科全般について10年間研鑽を積んできました。医師としての技術を積み上げる一方で、学会発表や論文作成も積極的に行ってきました。大学院に入り、日本学術振興会の特別研究員として基礎実験に取り組む機会にも恵まれ、一時期は海外留学を考えたこともありました。
当時の私は業績が増えることが嬉しくて頑張っていたと言っても良いくらいで、今振り返ると、自分のために医師という仕事をやっていたのだと思います。しかし、増える業績の一方で「自分は何者なんだろう、何のために医師をやっているんだろう」と考えるようになり、周囲の期待に反して心の中で違和感がどんどん強くなっていきました。
医師として、次の10年間で自分に何が出来るだろうと模索している中で、前院長の吉崎医師に出会いました。吉崎医師の在宅医療に取り組む真摯な姿勢と情熱は、自分のために医師をやってきた私とは対照的で、ここでなら、自分の次の10年をかける価値のある仕事ができると確信し、在宅医療の世界に飛び込みました。

仕事へのこだわり

「医療法人せせらぎ」は、小川がさらさらと流れるかすかな水音にも耳を澄ますことができるような感性で仕事をしていきたい、という理念に由来しています。病気を有する方々、ご家族の方々、在宅医療を支える多職種の方々、病院医療を担う多くの方々の、声にならないようなかすかな声に耳を傾けられる、バランス感覚に優れた在宅医でありたいと思っています。
また、「臨床」「研究」「教育」の三側面のすべてに関わる在宅医であることを常に目指しています。在宅医療は学問的にまだまだ発展途上だと感じます。日常診療を何よりも大切にしながら、臨床研究などを通じて新たなエビデンスの構築に可能な限り寄与したいですし、在宅医療が今後拡大していくために、学生教育・研修医教育などにも積極的に取り組んでいく必要があると考えています。

そう思えるようになったきっかけ

これまで医師として多くを学んできた中で、自分が最も幸運だったことは、素晴らしい指導医たちに出会えたことだと思っています。
市中総合病院の指導医には医師としての技術を、大学院時代の教授を始めとした指導医には基礎研究や学術活動、後進育成の重要性を、そして吉崎医師には医師としてのマインドと在宅医療のいろはを、授けてもらいました。
これまでに受けた指導を、在宅医として「臨床」「研究」「教育」のすべてに関わることで体現したいと感じています。

今後の目標

2023年4月には、札幌在宅クリニックそよ風として2つ目のクリニックをオープンする予定です。
かすかな声にも耳を傾けられる感性を大切にしながら、在宅医療を必要としている一人でも多くの方々に自分たちが提供する医療を届けられるよう、仲間を増やしていきたいと切に感じています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。