Profile

乾恵輔

乾小児科内科医院 院長
2006年日本医科大学医学部卒業。卒業後日本医科大学附属病院にて初期臨床研修を修了後、同院の第一内科(現・循環器内科)に入局。都内近郊の国公立病院等での勤務を経て2013年より同医局助教。約1年の小児科研修を経て、2018年乾小児科内科医院副院長、2023年より院長に就任となり現在に至る。
乾恵輔

Doctors Word

科学に基づき仁術を尽くす

現在の仕事についた経緯は?

当院で診療を行う両親の背中をみて育ち、自然と医師を志しました。当初は父と同じ小児科を考えていましたが、研修医時代に尊敬できる先輩医師が多数在籍し、時にダイナミックな医療が展開される循環器内科に興味をもち、その門を叩きました。
入局当初はいまよりも部門別の細分化がなされていなかったこともあり、幅広い内科のトレーニングを積むことができ、その中で循環器だけでなく糖尿病専門医取得につながる研修も行うことができました。大きな組織の中で様々な上司や部下を持った経験はクリニック運営にも生かされていると思っています。大人だけでなく子供も診ることのできる医師になりたいと小児科の研修も行い、地元に帰ってきました。

仕事へのこだわり

比較的街の中心部に位置していることから近くのオフィスや店舗でお仕事をされている方が休憩時間に受診をされたり、出張でホテルに滞在されていた方が体調を崩してしまい来院されたり、近隣にお住まいの方がいらっしゃったりと幅広い年齢層の患者様にご来院いただいています。
知らないクリニックに行く時は多少不安や緊張をいただく方も少なくないと思いますが、初めていらっしゃった方も安心して、診療を受けていただけるように丁寧な診療とわかりやすい説明を心がけています。
循環器と糖尿病は密接な関わりのある病気ですが、その両方の専門医資格を持っている医師はあまり多くありません。糖尿病は初期のうちは無症状のことが多いわけですが、その合併症として心筋梗塞、狭心症、閉塞性動脈硬化症などといった循環器疾患が起きてきます。大学病院等では病状が進行した難しい状態の患者さんも数多く診ましたが、この経験がクリニックに通院される比較的状態の安定した方に説得力を持った医療をご提供できる礎になっていると思います。また逆に心臓や血管の病気を起こしている患者さんは糖尿病をはじめとした生活習慣病を患っていることが少なくありません。循環器と糖尿病、その両側の視点から診ることができるのは両方の専門医資格を持っている強みだと思います。
また地元ということもあり、子供時代にお世話になった方が来院してくださったり、以前当院へ小児科でかかっていた患者様が成人され、お子様を連れて来院してくださったり、ご両親が通院してくださったりと、地域に根ざし、医療を通じて皆さまと長いお付き合いをさせていただいていることがなによりの喜びです。

そう思えるようになったきっかけ

「自分の家族を診るつもりで丁寧に診る」というのはよく言われる言葉ですが、地元で両親と一緒に時には子供の頃から知っている方が来院される環境で診療を行っていますと自然と背筋が伸びる想いになります。大きな病院で勤務医として働くこともいい経験でしたが、地元に腰を据え、毎日外来診療にあたる中で患者さんとの距離感もいい意味で近くなり、患者さんの病状だけでなく、生活環境やライフスタイルといったよりパーソナルな部分に触れることにより、考える部分も増えました。
例えば仕事が繁忙期にあり、運動をする時間が取れない、食事時間も不規則でストレスから間食も増えがちに。その結果、糖尿病の数値が悪くなってしまった場合、以前であれば数値の悪化を厳しく指導していたかもしれません。必ずしも医学的には正しくなくても時にはそれも受け止め、時には遠回りをしながら一緒に歩んでいくのがホームドクターとしての役割ではないかと考えています。
また診療時間に余裕がある時には、独居の高齢の患者さんとほとんど世間話だけで長話をしてしまうこともあります。帰りがけに「今日はたくさん人と話ができて嬉しかった」と言われ、診療だけが自分にできることではないのかな、と気付かされました。

今後の目標

当院への通院が難しくなった患者さんや来院が難しい患者さんには訪問診療も行っています。施設や患者さんのご自宅へ伺い行う診療はいつもと勝手が違い、苦労することもありますが、クリニック以上の患者さんとの距離感にやりがいも感じますし、今後高齢化社会が進んでいくにつれ、ますます重要性が高まっていくと思います。
生まれたての数ヶ月の赤ちゃんから来院が難しくなったご高齢の方まで、地域で医療を必要とする少しでも多くの方に幅広くお役に立ちたい。アットホームな安心感のある雰囲気と皆様に信頼していただける医療サービスの提供を心がけながら、生まれ育った地域のみなさまがなんでも気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。