Profile

増田考浩

増田歯科医院 院長
奈良県出身。1999年西大和学園高等学校卒業。2005年大阪歯科大学卒業。卒業後、兵庫県の歯科医院にて5年間勤務医・副院長を務める。その後、2011年大阪府の歯科医院にて3年間副院長を務める。2014年に実家、奈良へ戻り、父と共に診療に従事、2019年院長に就任し、現在に至る。
増田考浩

Doctors Word

奉仕・研鑽・誇

現在の仕事についた経緯は?

戦後、私の祖父が増田歯科医院を開業し、父が医院を継承し、私で3代目となります。現在の仕事に就いたきっかけは、代々続く家業だからではなく、祖父の言葉でした。仕事が大好きだった祖父は、80歳を超えても現役歯科医師として現場に立ち、歯科医療に従事していました。傍ら、テニスをこよなく愛し、学生時代は国体選手として数々の大会で活躍し、現役引退後もスポーツ大会等には来賓で参加する等、精力的に活動していました。私もスポーツが大好きで陸上競技においてそれなりの成績を残すことができました。戦争を経験した寡黙な祖父が、亡くなる3日程前に私を自身の部屋に呼び、「お前には、陸上競技でオリンピックを目指すか、歯科医師になって一番を目指すか、どちらかの道で生きて欲しい。」と寝たきり状態ながら、力強く言われたことを昨日の事のように鮮明に覚えています。当時、将来の道に少し悩んでいた私は、この祖父の遺言がきっかけで歯科医師の道を志すようになりました。

仕事へのこだわり

歯科医師となり間もない頃は、教科書に記してあることが全てであり、その通りにすれば良い、間違いない、そう思っていました。しかし、臨床の現場に立つと、その知識だけでは全く太刀打ちできないことに衝撃を受け、自分は頭でっかちで、極めて非力だと痛感しました。それから勤務していた当時の院長に教えを乞い、最良な治療を求め、日々、知識・技術を研鑽し続けました。最良の治療とは、良好な歯周組織であり、良好な咬合であり、良好な審美性であると思っていた私は、私の企てた治療計画が常に正しく、患者様の要望に耳を傾けることが疎かになっていました。しかし、数々の臨床経験を積んでいくにつれ、上司や、同職の友人と議論を交わす中で考え方が変わっていき、最良な治療とは、患者様の主訴、要望にしっかりと耳を傾け、全身状態や生活環境を鑑み、治療計画を押し付けることなく、より良い方法を提案しながらも、お一人、お一人に即した治療を提供することこそが患者様にとっての真の最良な治療だという考えに至りました。現在もこの考えを常に念頭に置き、日々診療に取り組んでいます。

そう思えるようになったきっかけ

大阪で勤務医として勤めていた時に、これまで数多くの歯科医院を転々とされてきた患者様が来院され、私が担当医となりました。問診により背景を伺うと、その方は、重度の歯科恐怖症で、過去、治療中に辛く痛い想いをされ、我慢をしながら治療を受け続けていたそうです。しかし、それも辛くなり、歯科医院を受診することが困難となり、その間に虫歯が増えてしまい、ある日、その虫歯による痛みに耐えられずに来院されたとのことでした。私は、すべき治療のゴールは見えていましたが、その過程において一つ一つの手技を不安や恐怖心を与えないよう、もちろん痛みには配慮し、コミュニケーションをとりながら、まずは必要最低限の治療を施しました。それから回数を重ね、徐々に治療を進めていくと、その患者様の表情が次第にやわらかくなり、通院を拒むことなく、全ての治療を無事終えることが出来ました。私が地元の奈良へ戻り、開業してからも約2時間の道のりをかけて通院してくださったことが嬉しく、やはり一人一人に即した治療を施すことこそが最良の治療だと確信を持つきっかけとなりました。

今後の目標

近年、急速に情報化社会となり、ましてや新型コロナウイルス感染症の影響を受け、先行きが不透明な中で、人とひととの繋がりが希薄の一途を辿っていると感じます。今こそ人とひととが支え合い、互いに助け合う共助の思いやりが必要であると考えます。そして、全ての人が、明るい未来へ向け、笑顔溢れる社会を創造し、少しずつ歩みを進めていくことが大切だと思います。これまで私は、地域社会へ貢献すべく、地域団体へ属し、社会奉仕活動に携わらせていただきました。今後は、一人でも多くの笑顔を作るべく、まずは、知識の習得、技術の研鑽を怠ることなく、高い精度を持った歯科治療を通じて、お口の中の健康を促進してまいります。そして、これからは予防の時代です。ご自身の歯を80歳までに20本残す8020運動ではなく、90歳までに28本を残す9028運動を推進し、お口の健康から社会貢献の一助となるべく、歯科医療に従事して参りたいと考えております。「人は、良好な口腔内環境を維持する事で、食を通じて友を作り、愛を育み、自身の幸せに気付く。食べることは喜びの源。」地域の方々が、今後の人生を豊かに送るべく、良好な口腔衛生状態を維持し、食を通じて健康な体作りを目指します。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。