Profile
松本 由紀子
Plume Ladies Clinic 院長
浜松医科大学卒業後、岡山大学医学部産婦人科学教室入局。
結婚を機に神戸へ、英ウィメンズクリニックで勤務中に自分自身も体外受精を行う。
英ウィメンズクリニック副院長として勤務した後、2021年2月からプリュームレディースクリニック院長として開業。
Doctors Word
情けは人の為ならず
現在の仕事についた経緯は?
一流の不妊治療専門施設で不妊治療に従事していましたが、不妊治療をしたいと思う方が簡単にクリニックを受診しにくくなっているのではないかと感じていました。
また、自分自身も不妊治療を経験したからこそ、患者さんの焦りや不安などの気持ちが痛いほど理解できるようになりました。
現在のようにインターネットで多くの情報を自分で得られるようになったからこそ、それが本当に正しいのかどうかを相談できる存在はとても重要なのではないかと思い、あえて高度生殖補助医療はせず、保険診療を中心とした不妊治療、不妊検査ができるクリニックを作りたいと思うに至りました。
仕事へのこだわり
医師は、資格を得るまでに研修をさせていただく患者さんに出会い、多くの方の支えがあって初めてなることのできる職業です。
医学生の時に、医師という職業に就くからには、「患者さんに貢献できることを一生考えていかなければならない」と教えられたことは、今でも診療において最も意識しています。
不妊治療のクリニックなので最終的な目標(貢献)は妊娠する事です。
ただ妊娠するまではある程度の時間が必要だったりします。
不妊の相談にいらっしゃる患者さんの身体は痛みや苦しみがない、基本的に元気な状態ですよね。 健康な方がクリニックに通うのは、しんどいですし、とても嫌なことだと思います。
ですので、プリュームレディースクリニックでは不妊治療でクリニックに来ることが少しでも嫌なことでなくなるように、ちょっとした工夫や仕掛けを考えています。
そして患者さんへの貢献を最大に行うためには、医療スタッフや取引業者の方々に満足してもらうことが大切だと思います。 患者さんに対して全ての事を医師だけでできる訳はなく、殆どのことは業者の方々や従業員にお願いすることになります。 開業した今は、特に従業員が誇りと自信をもって働いてもらえることを意識しています。 従業員が『仕事が楽しい』と感じながら働いてもらうと、きっと患者さんにも良い影響が出ますよね。
そう思えるようになったきっかけ
やはり自分自身の不妊治療経験は大きいと思います。
私はいわゆる二人目不妊で、一人目は自然に妊娠していたので、同じように二人目も妊娠できると思っていたのですが、なかなか授かることができませんでした。
不妊治療の専門医として働いていながら、自分の身体のことは全く分からない。
なかなか結果が伴わないことに、当時は焦りや不安感じていました
「患者さんに頑張れと励ましながら、自分が妊娠できていない、こんな私をだれが信用してくれるのだろうか」と自問する日々…
それでも仕事を続けられたのは、「頑張っている患者さんには目標を叶えてもらいたい」と切に思えたからです。
今後の目標
2020年9月に不妊治療の保険適用を拡大するように検討が始まりました。
人々が不妊ということに関心を持ち、不妊治療に対するハードルが下がればとても良いと思います。
プリュームレディースクリニックでは、体外受精などの高度生殖補助医療は行わず、すでに保険適用となっている治療や検査を中心に患者さんが妊娠できるようにサポートしていきます。
特にFT(卵管鏡下卵管形成)手術は、約25年前に開発された保険適用の不妊手術です。
手術時間も短く、日帰りで行う手術のため、金銭面でも身体面でも患者さんの負担は少なくて済みます。
ただ、特殊な機械を使うことから、実施できる施設が限られているのです。
私自身は英ウィメンズクリニックで充分な経験を積ませていただいたので、プリュームレディースクリニックでは体外受精は行わなくても、FT(卵管鏡下卵管形成)手術は日本でも有数の施設となれたらと思います。
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。