Profile
宮崎岳大
山内診療所 院長
東北大学(2009年卒) 2009年〜2015年:麻生飯塚病院 2010年:ベストインテリジェンス賞を受賞 2014年:チーフレジデントを務める 2014年:ピッツバーグ大学短期留学 2015年〜2018年:東京ベイ・浦安市川医療センター消化器内科・総合内科スタッフ 2018年:五島中央病院 2019年〜山内診療所・院長となり現在に至る。五島中央病院非常勤。著書にHospitalist、総合内科病棟マニュアル、新・総合診療医学 病院総合診療医学編 第3版など著書多数。
Doctors Word
Practice practice practice
現在の仕事についた経緯は?
子供の頃から父の医師として働く姿をみて、将来は父と一緒に五島列島で地域の人々の役に立ちたいとの思いがあり、医師になりました。大学卒業後より、五島に戻って仕事をすることを考え、総合診療科がある福岡県の麻生飯塚病院で初期研修医を行い、7年間研修を積んで、内科、外科、小児科、在宅、内視鏡、救急など幅広く勉強しました。そして、この7年間で医師としての姿勢など、多くのことを学ぶことができました。その後、東京ベイ・浦安市川医療センターに赴任し、総合内科、消化器内科の両科を兼任して、忙しいながらも後輩の指導を含め充実した日々を送ることができました。卒後10年目で五島に戻ると決めていたので、五島に戻った後は五島中央病院で勤務した後、2019年より山内診療所の院長に就任しました。
仕事へのこだわり
麻生飯塚病院での7年間は、とにかく五島列島に戻った後に、総合診療ができるように幅広い知識を得ようと心がけていました。初期研修医が終わった後は、後期研修医になり総合診療科で鑑別診断を中心に、診断学を学びました。診断が難しい症例でも病歴や身体所見から診断に結びつけていくことは内科医として一番の要だと思っています。その他、1次〜3次救急(内科・外科・整形外科・小児科)から集中治療など急性期の対応にも十分対応できるようになりました。また内視鏡の専門医をサブスペシャリティとして身につけるために消化器内科にも所属して、内視鏡を学びながら、総合診療科のスタッフとして研修医の指導を行い、指導医としての日々を送りながら、在宅医療も学ぶため松口循環器内科で、在宅医療を学び、在宅の患者さんの診療にあたり、病院で救急搬送され担当した患者さんを在宅に戻し、私が往診し看取るという、急性期から在宅での看取りまでを行ったことは私の財産になっています。飯塚時代の先輩からの誘いもあり、その後東京ベイ・浦安市川医療センターへ赴任しました。米国式の研修を行っており、米国で研修された先生方も多い中で、エビデンスを重視し、どのように患者さんに適応させていくのか、米国の医療の現状も学び、また指導医として後輩の指導を行いながら、自分自身も多くのことを学びました。消化器内科のスタッフも兼任しており、通常の内視鏡に加えて、ERCPやESDなど内視鏡専門医としての技術もここで大きく向上させてもらいました。五島に戻り五島中央病院と山内診療所の両方で働きながら、内視鏡や総合内科としての知識を生かし、初期研修医の教育を行い、五島の医療向上のために活動を開始しています。
そう思えるようになったきっかけ
麻生飯塚病院は、Patient Firstを合言葉に、絶対に断らない診療を心がけてきました。常に、“患者さんを中心とした真心を込めた医療”という医師として一番大切なことを学びました。また松口循環器内科の院長先生は、平日の診療の休みの時に在宅患者さんの相談をした際に、休みにも関わらず、患者さんに会いに病院に来られ、その際に患者さんの手を握りしめて仰った「私と一緒に家に帰りましょう」という言葉が今でも忘れられません。私は、山内診療所でも、地域の小児から老人までの多彩な疾患の初期診療及び慢性疾患の治療、そして通院不可能な患者さんに対する在宅治療と終末期在宅医療に取り組み、地域の患者さんのために、休日問わず、24時間365日診療に対応することを心掛けていきたいと思います。
今後の目標
医師として日々新たな知識をアップデートし、五島の地域の皆さんにより良い医療を提供できるようにしていきたいと思っています。医師として常に向上心を持ち、学生や研修医の教育・さらに五島全体の医療がレベルアップできるような仕組みを作り、多くの人々が健康な生活ができるようにしたいと思います。山内診療所としては、看護師などのスタッフの教育を行っていますが、さらに診療所全体のレベルアップを目指したいと思います。また、地球環境問題にも取り組み、自然農法を取り入れた不耕起栽培での野菜作り、果樹栽培、竹細工で籠などを作り、木造船を作る職人を増やすなど伝統技術の継承にも力を入れていきたいと思っています。
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