Profile

中村 秀顕

箕面外院どうぶつ病院 院長
大阪府立大学農学部獣医学科卒業。
卒業後、大阪市内の動物病院にて12年間副院長・分院長を務める。府立大免疫学教室教授とともに、臨床においてリンパ球培養療法や自己癌ワクチン療法に携わる。
2022年に箕面外院どうぶつ病院を開院し、現在に至る。一次診療施設として、最新免疫療法である歯周病点眼ワクチンをはじめ予防医療に力を注ぐ。
中村 秀顕

Doctors Word

飼い主様の心も読む

現在の仕事についた経緯は?

ありきたりですが、小さい頃から動物が好きだったというのは根底にあります。小学校高学年で、動物のぬいぐるみをねだっては共に布団で寝てみたり、先程まで水槽で泳いでいた魚が刺身となって出てきたのを見て可哀想だと泣き出したり…。しかしこの頃の将来の夢といえば、ウルトラマンタロウから電車の設計など様々でした。
高校生になって物理が全く理解ができず、3年生から急遽生物に変更したところ、一気に得点源になりました。これを将来に大いに活かせたらと思い、行き着いたのが獣医師です。もちろん動物が好きだったので、それも相まって小動物臨床を目指すようになりました。
大学受験前も、帰り道に常に鼻を垂らしズーズー言っている野良猫がいて、「ズー」と名付け、毎日撫でて可愛がっていた事を思い出します。

仕事へのこだわり

「地域密着の一次診療施設」と謳っていても、ただ地域の方々を相手に診療しているだけでは全く意味がありません。こだわりとして挙げるなら2つのことを大事にしています。

⓵飼い主様の心を読む
「動物の心を読む」とはよく言いますが、勤務医の時から「飼い主様の心を読む」というのは知らずのうちに実行していた気がします。自分は、人に対しては「気にしい」な性格だと思っています。相手が今何を思っているのかを常に客観的に考えてしまいます。これは性格もあるのでしょうが、中学から野球部でそこそこ厳しい先生や先輩の目を気にする中で身についた長所だとも思っています。
地域密着と謳うなら、飼い主様に安心感を感じていただく事が大事だと思います。飼い主様が何を思い来院され、本当に求めているものは何か、声には出ない心の部分も読みながら、しっかりと提案をしつつ共に治療方針を決定していくスタイルを心掛けています。

⓶予防診療の徹底
「予防診療」という言葉は一次診療に特化したものだと考えています。しかし、ただワクチンを打って予防薬を出すだけでは地域密着ではありません。独自の予防プログラムを作成し、明示、啓蒙することで、地域の方々にも意識をもって実践していただくように心掛けています。
また健康診断にも当院の特徴があります。勤務医の時には、飼い主様が知らないまま腫大してしまった癌や、放置された歯周病から二次的に発症してしまった病気など、健診さえ受けていればまだ何年も生きていられたであろう子をたくさん見てきました。逆に健診で思いがけず命拾いした子もたくさん見てきました。
当院では本当に必要な検査項目を見逃して欲しくない…との思いから、松・竹・梅のようなコースに縛られず、その子のスペシャルメニューを一緒に作らせていただいています。こうする事で、飼い主様の我が子の病気を未然に防ぐという意識も、より向上すると考えています。

また、既にご好評をいただいている歯周病点眼ワクチンは、最も当院に特化したものと考えています。ワクチンを注射の代わりに点眼で接種することで、歯周病の原因菌を抑え込みます。単なる歯周病ケアとは異なる、全く新しい画期的な歯周病の治療・予防法となります。
所属していた府立大免疫学教室の教授が設立された免疫療法研究会があり、そこで新しく開発されたものになります。臨床の場で使用させていただき、効果を飼い主様と共に実感できる事は、とても恵まれていると感じています。

今後の目標

やはり本当の意味での予防診療を徹底する事です。
独自の予防プログラムや健康診断メニューにより、地域の皆様に少しでも長く動物との幸せな時間を過ごしていただけるようなお手伝いができたらと思っています。
また歯周病ワクチンという新しい考え方で、この地域から歯周病あるいは、それに影響を受けるあらゆる重大な疾患を無くしていきたい…それが当院の予防歯科の考え方であり、目標でもあります。
これからも最新免疫療法をはじめとして新しい情報を取り入れ、診察時にあらゆる選択肢を提示すると同時に、そういった有益な情報をこの地域に広められるよう努力していきたいです。
地域密着の一次診療施設として、常に飼い主様と想いを通わせ、心から頼っていただける真のかかりつけ医として貢献できればと思います。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。