Profile
白水雅彦
しらみず診療所 所長
佐賀大学医学部卒業。卒業後、沖縄県の県立南部医療センター・こども医療センターで初期研修・専門医研修を行う。2018年に沖縄県の離島診療所である渡名喜診療所に所長として赴任し、2年間一人で診療所でのプライマリケア、地域医療に従事した。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医を取得後、2020年に医療法人北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニックで家庭医療を学ぶ。2022年にしらみず診療所に赴任し、所長となり現在に至る。
Doctors Word
いい感じ、面白がる
現在の仕事についた経緯は?
初期研修をした病院では赤ちゃんから高齢者まで全ての年齢の人の診療を年間を通して常に経験できる環境でした。その経験の中で、特定の疾患や年齢層の患者さんではなく、全てをみるgeneralistでありたいと思うようになりました。
また、病気の患者さんたちを見ながら元気な人を元気なままにしてあげたいと思うようになり、病気に加えて人を診ることを専門とする「家庭医」になりました。
また、病気の患者さんたちを見ながら元気な人を元気なままにしてあげたいと思うようになり、病気に加えて人を診ることを専門とする「家庭医」になりました。
仕事へのこだわり
普段から意識していることは対話をすることです。僕は関わる人が幸せになって欲しいと思います。いろいろな人を診察して、看取っていると、いろいろなことがあっても最期に幸せだったと言える人生が、「いい感じ(well being)」なのではないかと思っています。
病気をみて治療するだけでは人はwell beingにはなれないと思っています。医師の治療はwell beingを阻害する「病気」を取り除くことで、ネガティブな要因も取り除くことができます。
一方で、人によりいい感じになってもらうために医師としてできることは、患者さんの人生の選択をサポートすることやいつでも相談できるヘルスパートナーとしてそばにいることです。そのためには対話をしてお互いを知ることが必要です。
医学的にベストな選択肢が必ずしもその人にとって「いい感じ」の選択ではありません。そこで僕は対話をしながら「いい感じ」を探ります。話をして、価値観や考え方、背景、生活スタイルなどを知り、その人の意見だけ・医師の意見だけの一方向性ではなく、双方向性の対話をして、人それぞれにとっての「いい感じ」な選択を一緒に作っていきたいです。
診察の時間は患者さんの人生にとって一瞬の出来事ですが、治療や療養方法の選択は人生に影響を与える重要な選択になると思います。 いつも来てくれる人でも時折フラッと来院される人でも、患者さんと周囲の人々と継続して長く関わりながら、治る病気も治らない病気も日頃の不安も面白さも、その人の人生の物語に寄り添いながら、支え、何かある時に相談できるパートナーとして、「いい感じで幸せな人生」を支援するために対話することを大切にしています。
病気をみて治療するだけでは人はwell beingにはなれないと思っています。医師の治療はwell beingを阻害する「病気」を取り除くことで、ネガティブな要因も取り除くことができます。
一方で、人によりいい感じになってもらうために医師としてできることは、患者さんの人生の選択をサポートすることやいつでも相談できるヘルスパートナーとしてそばにいることです。そのためには対話をしてお互いを知ることが必要です。
医学的にベストな選択肢が必ずしもその人にとって「いい感じ」の選択ではありません。そこで僕は対話をしながら「いい感じ」を探ります。話をして、価値観や考え方、背景、生活スタイルなどを知り、その人の意見だけ・医師の意見だけの一方向性ではなく、双方向性の対話をして、人それぞれにとっての「いい感じ」な選択を一緒に作っていきたいです。
診察の時間は患者さんの人生にとって一瞬の出来事ですが、治療や療養方法の選択は人生に影響を与える重要な選択になると思います。 いつも来てくれる人でも時折フラッと来院される人でも、患者さんと周囲の人々と継続して長く関わりながら、治る病気も治らない病気も日頃の不安も面白さも、その人の人生の物語に寄り添いながら、支え、何かある時に相談できるパートナーとして、「いい感じで幸せな人生」を支援するために対話することを大切にしています。
そう思えるようになったきっかけ
僕は沖縄の離島診療所、北海道の診療所などを経験する中で、いろいろな場所のいろいろな文化や価値観の患者さんに外来で接してきました。そして、色々な人の最期の場面に出会ってきました。
患者さんたちと接していると、病院で思ったことを話せていない方が多いと感じます。出された薬を飲んでいなかったり、主治医に自分の病状のことを聞けていなかったり、気づいたら検査・治療と話が進んでしまい気持ちが追いついていなかったり、自分がなんで薬を飲んでいるかわかっていなかったり…。病気は治るかもしれないけれど、患者さんにとってはいい感じではないなと感じました。
一方で、病気や体のことは自分のことですが、難しいのでサポートが必要だと思います。そこをサポートするパートナーとして、いい感じを一緒に探していくことが家庭医としての自分のやりたいことだと思うようになりました。
患者さんたちと接していると、病院で思ったことを話せていない方が多いと感じます。出された薬を飲んでいなかったり、主治医に自分の病状のことを聞けていなかったり、気づいたら検査・治療と話が進んでしまい気持ちが追いついていなかったり、自分がなんで薬を飲んでいるかわかっていなかったり…。病気は治るかもしれないけれど、患者さんにとってはいい感じではないなと感じました。
一方で、病気や体のことは自分のことですが、難しいのでサポートが必要だと思います。そこをサポートするパートナーとして、いい感じを一緒に探していくことが家庭医としての自分のやりたいことだと思うようになりました。
今後の目標
いろいろな人がいい感じになれる『町のいきつけの診療所』になれるように、クリニック=薬をもらいに行く場所ではなく、気軽に自分のこと、家族のこと、友人のことを相談しに行ける場所を作っていきたいと思います。
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。