Profile

玉城 尚

社会医療法人葦の会 オリブ山病院 院長
1991年琉球大学医学部卒業後、琉球大学医学部法医学教室にて文部教官助手となる。1997年、英国LHMCにて文部省在外研究員としてDNA鑑定の研究を行う。帰国後は、沖縄中部徳洲会病院、オリブ山病院、ノーブルメディカルセンター、東京都成仁医院、千葉西総合病院で勤務。2008年 葦の会エステルクリニック所長、2020年10月 オリブ山病院副院長、2021年7月 オリブ山病院院長となり現在に至る。
玉城 尚

Doctors Word

君子和して同ぜず小人同じて和せず/和をもって貴しとなす

現在の仕事についた経緯は?

1991年に大学を卒業した後は、法医学教室で死体解剖やDNA鑑定の業務に就いていました。1999年から1年ほど救急病院へ勤務した後、2000年に当院へ最初の入職をし、以後精神科を続けています。当時は機能別病棟再編が始まってきた時期で、当院で約5年、精神科急性期治療病棟の立ち上げを行いました。その後、東京のクリニックで勤務した際、精神科分野での訪問診療を体験し、沖縄に帰ってから当法人で訪問診療・訪問看護といった精神科在宅医療をメインとしたエステルクリニックを立ち上げました。2020年10月からオリブ山病院へ戻り、2021年7月からは院長職を拝命しています。

仕事へのこだわり

自分でよく考え、本当に患者さんのためになることなら、躊躇なく行うこと。次に、必要とされているが他の誰もがやっていないことをすること。そして、「できない」とは言わない、自分が関わることが最適ではないと思えるなら最適な方法を探すこと。以上が私の仕事へのこだわりです。

そう思えるようになったきっかけ

精神科を始めた頃は、家族からの「本人を受診させたいが拒否して引きこもっている。どうしたらいいか」という相談に対して「病院に連れてこないと診察できないので、なんとか受診させて下さい」と言うのみで、何の解決策も提示することができませんでした。東京にいた頃、クリニックで精神科の訪問診療を経験し、「連れてくることができなければこちらから訪問したらいい」という、“ごく単純で必要とされているが誰もやっていないこと”をしようと決意し、沖縄に帰り、葦の会の一部署として訪問看護・訪問看護といった精神科在宅医療メインのクリニックを開院しました。多いときは月100件程度のいわゆる引きこもりの方々への訪問診療を行っていました。在宅医療は、その場の判断でアセスメントして方針を決めねばならないため、一瞬の判断能力が問われます。幸い12年間大きなトラブルもなく勤め上げることができました。葦の会本体のオリブ山病院へ戻ってからもクリニックからの訪問診療を続けている患者さんもおられます。

今後の目標

身体科も精神科も在宅へ移行していく流れがあります。当法人は精神科訪問診療、身体系シャロンクリニック、それに南・北大東島、座間味島、粟国島の4島への精神科巡回診療も行っており、早くから在宅医療への取組を行ってきています。今後は入院から在宅へ、在宅から入院へスムーズな連携を行い、地域で患者さんを支える体制を構築していきたいと考えています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。