Profile

田中心和

医療法人社団 田中内科クリニック 院長・理事長
大学卒業後、約17年間臨床医として兵庫県下の基幹病院ならびに神戸大学医学部附属病院にて内科、消化器疾患の診療を行う。消化器疾患に関しては、神戸大学医学部附属病院を中心に消化管(食道・胃・大腸)の内視鏡診断と治療を専門的に取り組み、2015年には食道アカラシアに対する内視鏡治療である経口内視鏡的筋層切開術(POEM)を関西に初めて導入した。2020年、田中内科クリニックの院長となり現在に至る。
田中心和

Doctors Word

情熱差は能力差に勝る

現在の仕事についた経緯は?

父親が医師であったため子供のころから医師という職業を身近に感じていました。患者さんに感謝される医師はやりがいのある職業と思い、医師を目指すようになりました。消化器内科の道に進んだのは、学生実習で消化器内科を回った時に、患者さんを傷つけずに体の中を直接見ることができ、また治療もできる内視鏡に興味を持ったからです。医師になってからは神戸大学医学部附属病院を中心に消化管(食道・胃・大腸)の内視鏡診断と治療を専門的に取り組んできました。経験を積む中で、これまで得た知識と技術を地域医療に貢献したいという思いが芽生え、2020年6月に父のクリニックを継承致しました。

仕事へのこだわり

これまで内視鏡を中心とした消化器疾患の診療を行ってまいりました。診療においては患者さんとのコミュニケーションを大切にして、安全で質の高い医療を提供できるよう心掛けています。そのために学会や研究会に積極的に参加し、最新の知見を吸収し、現状に甘んじることなく、自身の診療を常にupdateさせています。これまで残念ながら進行癌の状態で見つかってしまう患者さんを多くみてきました。そのような時、もしこの患者さんが1年前に検査を受けていれば手術ができていたのではないか、2年前に見つかれば内視鏡で治療できたのではないかといつも残念に思います。このような経験から内視鏡をする際には1mmの癌でも見落とさない気概で検査を行ない、また症状がなくても検査を受けるように患者さんへの啓蒙も日々の外来で積極的に行っています。私は大学に勤務していた時から臨床研究を積極的に行ってきました。現在も神戸大学に非常勤講師として勤務しており、クリニックとの共同研究も行っています。臨床研究に携わることは日常診療に疑問を持つ習慣がつき、診療に緊張感を持たせ、自身のモチベーションを高く維持させることに役立っています。今後も「胃癌や大腸癌で亡くなる患者さんを減らすにはどのようにすればいいか。」、「より安全で正確な内視鏡するにはどのようにすればいいか。」を常に考え診療にあたっていきたいと思います。

そう思えるようになったきっかけ

私はこれまで幸いにも世界的に御高名な先生方に内視鏡を指導していただく機会が多くありました。ご指導をいただいた先生方は共通して、好奇心が強く、前向きで行動力があり、そのような姿勢にとても感銘を受けました。一緒に仕事をさせていただくなかで、少しでもこのような先生方に近づきたいと思うようになり、様々なところにアンテナを張り、高いモチベーションをもって仕事に取り組むようになりました。私の恩師で世界的な内視鏡の権威であられる豊永高史先生は「情熱差は能力差に勝る。」という言葉をしばしば使われます。これはまさに的を射た言葉で、仕事でしんどくなった時に思い出すようにしています。

今後の目標

「体調が悪くなったらとりあえずあのクリニックに行こう。内視鏡をするならあのクリニックへ行こう。」と思われるような地域の皆様に信頼されるクリニックを作っていきたいと思います。またアカデミアに長くいた経験を生かして、新たな知見を発信できるようなアクティビティの高いクリニックにしたいと思っています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。