Profile

上野克仁

うえの内科外科医院 院長
研修医として外科一般、胸部外科、小児外科、麻酔科研修。その後、国保旭中央病院外科(千葉県旭市)にて外科医としての基礎全般を学び、東京大学胸部外科(心臓血管・呼吸器外科)に入局。東大病院、虎の門病院、横浜労災病院、JR東京総合病院、国立病院機構東京病院に勤務。外科専門医、心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医取得。管理職も経験。臨床のみでなく、学会発表、論文執筆も多数。平成26年から葛飾南クリニック(内科、在宅医療)院長。在宅医療のみならず、内科一般外来、健診も担当。産業医、医師会活動(介護保険認定審査会委員、学校医など)にも従事。コロナ禍では予防接種、発熱患者の診療も多数経験。
上野克仁

Doctors Word

人間到る処青山有り

現在の仕事についた経緯は?

医師としてのキャリアを振り返ってみますと、それなりに幅広い経験をしてきました。勤務医として、心臓外科に加え呼吸器外科も担当し、葛飾にあるクリニックで内科・在宅医療に携わりました。
大きな病院の勤務医だったこともあれば、街のクリニックでの勤務経験、診療の場が「病院」ではなく「ご自宅」や「老人ホーム」という診療の経験もございます。
大きな病院では専門分化が進み、外科医は手術の前後しか患者さんと接触する機会がないようになっていました。
私が執刀した患者さんで退院後在宅医療を導入した方がおられました。外来にいらしたお顔を見ると、それはもういい顔をされているんです。
病院での“治療最優先”でなく、患者さんがご自宅で穏やかに過ごしていけるよう医療者として介入していく在宅医療の可能性を感じたのは、この経験からでした。
手術だけでなく、患者さんと一緒に歳を重ねていくような形で継続的に診療していきたいという思いもより強くなり、在宅医療クリニックでの勤務を選択しました。
在宅医療クリニック勤務はやりがいがある一方で、勤務医の立場だと自分の提供したい医療や方針を実現できないもどかしさも少なからずありました。
自分の考える医療を提供したいと考えていた中で、ご縁があって医院継承をお考えだった小立先生にお会いしました。お人柄も素晴らしく、クリニックの設備なども充実していましたので、私は一目で気に入ってしまいました。
自宅からも徒歩で通勤可能な場所でした。また、私自身この地域には縁もありました。実は幼少期をこの近くで過ごしており、患者さんの中には、同じ小学校出身の方もおられます。縁があると感じたことも、承継の決め手となりました。

仕事へのこだわり

地域に密着した敷居の低いかかりつけ医をめざす。
疾患だけではなく「人を診る」。
患者さんと一緒に歳を重ねていくような形で継続的に診療していく。

通院困難な方に対しては訪問診療やオンライン診療を用意しております。
これまでの経験を生かし、かつ、複数のチャンネルを有効にお使いいただくことで、敷居の低いクリニックを目指していきます。

そう思えるようになったきっかけ

これまで都心、郊外、大規模病院、小さなクリニックなどさまざまな場で経験を積ませてもらいました。
研究優先の病院に在籍したこともあれば、治療よりも患者さんが穏やかに過ごせることを優先した診療にも携わりました。
そのどれもが、私の学びになっていると思います。特に、こちらを受け継ぐ前まで勤めていた在宅診療クリニックでは、医療者として何ができるかということを考えさせられました。医療者だからできることもあれば、難しいこともあります。
「病気=治療をする」と考えるのが一般的ですが、訪問診療で診ていた認知症の方や末期がんの患者さんの場合、治療ではなく、穏やかに過ごせる環境づくりを優先するというケースも幾度とありました。
そして決断に至る過程では、私だけでなく看護や介護を行う方々とも意見を交換しました。多職種のメンバーとフラットに意見を交わしながら、患者さんの病気に向き合い、ライフスタイルを考えていくことは、とても貴重な経験だったと思います。
疾患だけではなく「人を診る」、患者さんと一緒に歳を重ねていくような形で継続的に診療していくという2つの大きな目標はこの経験がベースとなっております。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。